この記事は2026年10月14日時点の情報です。

「カワサキの株主優待が拡充されるらしいけれど、今から買うといつ何がもらえるの?」と気になって、このお知らせを開いた方もいるのではないでしょうか。優待券には使える場所の制約があり、継続保有の条件も加わるため、利回りの数字だけでは判断しにくいところです。

2026年10月14日の16時、カワサキ(3045・東証スタンダード)は、株主優待制度を拡充すると開示しました。ハンカチなどの服飾、倉庫の賃貸、泉大津のホテルを手がける会社です。2025年8月期から再開した優待に、継続保有3年以上の区分を新設する内容です。

この記事では、開示の中身、今から買う人がいつ何を受け取れるか、10月14日の終値で見た利回りと、同じ時刻に開示された新株予約権や業績で買う前に確認したい点を整理します。

カワサキの株主優待は何が拡充されたの?

開示の内容

開示は2026年10月14日16時で、変更前と変更後の内容は次のとおりです。優待券は年2回、1回分の額面で示しています。

保有株式数 継続保有期間 EC優待クーポン ホテル優待券 1回分の合計
100株以上 変更前(期間の条件なし) 1,500円相当 1,500円相当 3,000円相当
100株以上 半年以上 1,500円相当 1,500円相当 3,000円相当
100株以上 3年以上(新設) 3,000円相当 3,000円相当 6,000円相当
300株以上 変更前(期間の条件なし) 5,000円相当 4,500円相当 9,500円相当
300株以上 半年以上 5,000円相当 4,500円相当 9,500円相当
300株以上 3年以上(新設) 10,000円相当 9,000円相当 19,000円相当

出典: 株主優待制度の拡充に関するお知らせ(適時開示 2026年10月14日・IRBANK)

EC優待クーポンは自社の「直営オンラインショップ」で使う券で、ホテル優待券は「ホテルレイクアルスター アルザ泉大津」で使う券です。拡充の目的について、会社は中長期で保有する株主を増やすためと説明しています。単元株数は100株で、株探で確認しました。

継続保有期間の数え方

開示には、期間の数え方が次のように書かれています。

  • 半年以上: 毎年2月末日と8月末日の株主名簿に、同一株主番号で2回以上連続して載っていること
  • 3年以上: 毎年2月末日と8月末日の株主名簿に、同一株主番号で7回以上連続して載っていること

すでに株式を持っている株主は、今回の拡充に伴う継続保有期間の判定で、取得時期を遡って保有期間に数えると記載されています。贈呈は、2月末が基準日なら5月発送の中間報告書に、8月末が基準日なら11月発送の株主総会招集通知に同封する予定です。

優待制度の経緯

優待は一度廃止されていて、再開から数えると今回が最初の拡充です。開示から追うと次のとおりです。

開示日時 内容
2022年7月13日15時30分 100株以上の区分をなくし、200株以上(ハンカチ2枚か3,000円相当の自社製品)だけにする変更
2023年10月13日15時30分 2023年8月31日の基準日の贈呈をもって優待を廃止(配当による還元を優先)
2024年10月11日15時30分 2025年8月期の中間期から再開。100株以上と300株以上で、EC優待クーポンとホテル優待券
2026年10月14日16時 継続保有3年以上の区分を新設

出典: 株主優待制度の変更に関するお知らせ(適時開示 2022年7月13日・IRBANK)、株主優待制度の廃止に関するお知らせ(適時開示 2023年10月13日・IRBANK)、株主優待制度の再開に関するお知らせ(適時開示 2024年10月11日・IRBANK)

再開時の開示には、優待の内容に変更が生じた場合は速やかに開示すると書かれています。

今から買うと、いつ何を受け取れるの?

最初の基準日は2027年2月28日

開示によると、今回の拡充は2027年2月28日の株主名簿に載った株主から始まります。2027年2月28日は日曜日で、株式の受渡しは2月26日(金)が最終日です。約定から受渡しまで2営業日かかるため、そこから2営業日さかのぼった2月24日(水)が権利付き最終日 にあたります。この日までに買い、この日の取引終了時点で持っていれば名簿に載る最終日のことです。

2026年8月末の基準日は、すでに過ぎています。今から買う人にとって、2027年2月末が名簿に載る最初の機会です。

最初の優待は、表どおりなら2027年8月末の基準日の分

「半年以上」の区分は、2月末と8月末の名簿に2回連続で載ることが条件です。2027年2月末に初めて名簿に載る人は1回目で、2回連続になる最初の基準日は2027年8月31日(火)です。その贈呈は、2027年11月発送の招集通知に同封される予定です。

変更前の制度には継続保有の条件がありませんでしたが、変更後の表は「半年以上」と「3年以上」の2区分だけで、名簿に1回しか載っていない株主の区分はありません。表どおりに読めば、2027年2月末に初めて名簿に載る人には2027年5月の贈呈はなく、最初の優待は2027年8月末の基準日の分です。今から買う人は、会社の管理部(開示の問合せ先)か株主名簿管理人に確認してください。継続保有の回数の確認は、証券会社ではなく、会社か株主名簿管理人が窓口です。

「3年以上」の区分は7回連続が条件なので、今から買う人が届くのは、名簿に載る回数でいえば2030年2月末の基準日です。制度が続く前提の数え方で、会社が優待を約束するものではありません。

それまでに受け取れるもの

優待の贈呈が確認できるまでの間に受け取れるのは、配当です。2026年10月14日15時30分の決算短信で、2027年8月期の配当予想は第2四半期末(2月末)25円・期末25円の年50円とされています。100株なら年間5,000円です。会社予想どおりなら、2月末の第2四半期末配当は、2月24日までに買えば対象になります。

出典: 2026年8月期決算短信(適時開示 2026年10月14日・IRBANK)

利回りはいくらになるの?

10月14日の終値と投資額

開示は16時で、取引終了後でした。そのため、当日2026年10月14日の終値1,467円で計算します。

保有株式数 購入額(1,467円で計算) 位置づけ
100株 146,700円 1単元。優待の最低ライン
300株 440,100円 3単元。優待券が増える区分

出典: 株探 カワサキ(3045) 日足(2026年10月14日の終値)

配当利回りは3.41%

2026年10月14日の決算短信で、会社は2027年8月期の年間配当を50円(第2四半期末25円・期末25円)と予想しています。50円÷1,467円で配当利回りは約3.41%です。普通配当だけで、記念配当や特別配当は含まれていません。

実績は、2025年8月期が50円(25円+25円)、2026年8月期も50円(25円+25円)で、予想の50円まで3期続けて同じ額です。2027年8月期の1株利益の予想は126.95円で、配当性向は約39.4%にあたります。

配当方針は、同日に開示された新株予約権のお知らせの中で、中期経営計画の内容として「配当性向30%を目安とし、年間の1株当たり配当金50円を下限とする安定的な配当の維持に努める」と説明されています。金額の約束ではなく、方針の説明です。

出典: 2026年8月期決算短信(適時開示 2026年10月14日・IRBANK)、第三者割当による第1回新株予約権及び第2回新株予約権の発行に関するお知らせ(適時開示 2026年10月14日・IRBANK)

優待を足すと4%に届くの?

優待券は額面が円で示されているため、使い切った場合の上限として利回りを計算できます。年2回の贈呈なので、1回分の額面を2倍して年間の額面にしています。

区分 配当(年) 優待券の額面(年) 配当のみ 優待のみ 合計
100株・半年以上 5,000円 6,000円 3.41% 4.09% 7.50%
100株・3年以上 5,000円 12,000円 3.41% 8.18% 11.59%
300株・半年以上 15,000円 19,000円 3.41% 4.32% 7.73%
300株・3年以上 15,000円 38,000円 3.41% 8.63% 12.04%

ただし、この優待には次の制約があります。上の優待の利回りは、額面を使い切った場合の上限です。

  • 開示に書かれている券の使い道は、自社の直営オンラインショップと泉大津のホテルの2つだけ
  • クーポンや優待券の利用条件(最低利用額や有効期限など)は、開示に書かれていない
  • 券を現金や商品券に替える仕組みも、開示に書かれていない

ゆるふえの判断軸である配当と優待の利回り合計4%に届くための条件は、配当で5,000円の100株なら、優待を年約870円分使えれば足ります。額面6,000円の約14%です。300株なら年約2,600円分で、額面19,000円の約14%です。

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買う前に何を確認すればいい?

同じ時刻に開示された新株予約権

同じ2026年10月14日16時に、会社は米国の機関投資家が運用するCVI Investments, Inc.を割当先とする第三者割当の新株予約権の発行も開示しました。

項目 内容
発行数 第1回2,000個、第2回2,000個(1個につき100株、合計40万株)
行使価額 第1回2,000円、第2回2,500円(行使期間の中で修正されない固定)
行使期間 2026年11月2日から2032年11月1日まで
交付する株式 会社が保有する自己株式40万株を充てる
調達額(全て行使された場合) 差引手取概算額で約8.7億円
使い道 手取りの全額を貝塚市二色町プロジェクト(物流施設の建設など)に充てる

出典: 第三者割当による第1回新株予約権及び第2回新株予約権の発行に関するお知らせ(適時開示 2026年10月14日・IRBANK)

行使価額は、決議の前取引日の終値のおよそ136%と170%に設定されています。株価がその水準以上に上がった場合に行使が行われやすくなる設計で、会社は発行の時点では希薄化は生じないとしています。一方で、全て行使された場合の40万株は、2026年8月31日現在の議決権の総数21,303個に対して、希薄化率18.78%です。自己株式を使うため発行済株式総数は増えませんが、市場に出回る株数が増えます。

業績は減益の予想

2026年10月14日15時30分に、2026年8月期の決算短信が発表されています。

区分 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2025年8月期(実績) 2,291百万円 516百万円 514百万円 338百万円
2026年8月期(実績) 2,307百万円(前期比0.7%増) 474百万円(同8.1%減) 473百万円(同8.0%減) 313百万円(同7.3%減)
2027年8月期(予想) 2,340百万円(同1.4%増) 419百万円(同11.4%減) 419百万円(同11.5%減) 270百万円(同13.7%減)

2026年8月期の事業別では、賃貸・倉庫事業の営業利益が555百万円(前期比5.6%減)で、会社全体の営業利益474百万円を上回っています。服飾事業は営業損失19百万円、ホテル事業は営業損失62百万円でした。服飾事業については、自社ECサイトで株主優待制度の効果もあり会員登録者数が増え、販売が大きく伸びたと説明されています。

自己資本比率は2026年8月期末で75.6%です。会社は2027年8月期について、新規倉庫の取得を進めると説明しています。

出典: 2026年8月期決算短信(適時開示 2026年10月14日・IRBANK)

ゆるふえの評価(推し度)

ゆるふえとしては推し度: 中の判断です。

  • 良い点: 配当は年50円で、実績は3期続けて同じ額。会社は50円を下限とする方針を示している。優待券の額面は、100株の半年以上の区分でも年6,000円で、額面を使い切れれば優待だけで4%を超える
  • 気になる点: 優待券の使い道が自社のECと泉大津のホテルに限られ、利用条件の詳細が開示にない。今から買う人には半年以上(名簿に2回連続)の条件が新たにかかり、表どおりなら最初の優待は2027年8月末の基準日の分。同じ日に議決権ベースで18.78%の希薄化になりうる新株予約権が開示され、2027年8月期は営業利益が11.4%減る予想
  • 判断の分かれ目: 泉大津のホテルや自社ECを実際に使える方にとっては、額面の価値がそのまま生きる。使えない方には、配当3.41%を軸にした投資になる

ゆるふえは、使える場所が決まっている優待券より、使い道の広いQUOカードのほうが好みです。

まとめ

  • カワサキ(3045)が2026年10月14日16時に優待の拡充を開示。2月末・8月末の名簿に7回連続で載る「3年以上」の区分を新設し、優待券は半年以上の区分の2倍。拡充は2027年2月28日の基準日から
  • 10月14日の終値1,467円で100株は14万6,700円。会社予想の年間配当50円で配当利回り3.41%。優待券の額面を使い切った上限で、100株は半年以上が合計7.50%、3年以上が11.59%
  • 今から買う人の最初の基準日は2027年2月28日(権利付き最終日は2月24日)。表どおりなら優待の初回は名簿に2回連続で載る2027年8月31日の基準日の分で、それまでに受け取れるのは配当
  • 同日に40万株の新株予約権(希薄化率18.78%)が開示され、2027年8月期は営業利益が11.4%減る予想

優待券は使える人にとって価値が大きく、使えない人にとっては配当が軸になります。ご自身がホテルとECを使うかどうかと、新株予約権の内容を照らして確かめてみませんか?

出典は適時開示の一覧(IRBANK)、配当金の推移(IRBANK)、決算まとめ(IRBANK)、株探です。優待の適用条件は変更される場合がありますので、最新の内容は各社の公式情報でご確認ください。