株主優待というと商品券やカタログギフトを思い浮かべますが、最近は交換先を自分で選べるデジタル型も増えてきました。選択肢が広いのはうれしい反面、「結局いくら分もらえるのか」「自分の持ち株数だと対象になるのか」が読み取りにくくなりがちですよね。

不動産クラウドファンディングを手がけるクリアル株式会社(証券コード2998)が2026年6月15日14時に、株主優待の優待品目の変更・拡充と、長期保有優待の新設を開示しました。優待の中身が広がるだけでなく、長く持つほど金額が増える仕組みが加わります。

この記事では、選べるギフトの中身、長期保有優待がいつから適用されるのか、そして500株を買った場合の利回りがどうなるのかを順番に整理していきます。

優待の中身はどう変わるのでしょうか

QUOカードからデジタルギフトへ変わります

これまでの優待品はQUOカード でした。今回の変更で、デジタルギフト (スマートフォンで受け取り、好きな交換先を自分で選べる電子的な贈答品)に切り替わります。適用は2026年9月30日を基準日とする権利分から です。

コンビニなどで使える券そのものが届く形から、交換先を選ぶ形に変わるという性質の変化があります。交換先は20種類以上が用意されていて、代表的なものは次のとおりです。

  • PayPayマネーライト
  • Amazonギフトカード
  • 楽天ポイントギフト
  • dポイント
  • QUOカードPay
  • GooglePlayギフトコード
  • Uber Eatsギフトカード
  • ビットコイン(暗号資産)

このほか Pontaポイント・Visa eギフト・図書カードNEXT などにも交換できます。QUOカードPayが選べる ため、QUOカードを目当てにしていた方でも近い使い方は残ります。ただし紙の券と違い、受け取りにはスマートフォンでの操作が要る点は押さえておきたいところです。

1,000株以上の区分が新設されます

権利確定月は3月末と9月末の年2回で、それぞれの権利ごとに優待が届く形です。下の表の金額は1回の権利確定あたりで、年間はその2倍になります。

保有株数 変更前 2026年9月末の権利分から
500株以上1,000株未満 5,000円相当(QUOカード) 5,000円相当(デジタルギフト)
1,000株以上 区分なし 12,000円相当(新設)

500株区分の金額は据え置きで、変わるのは品目だけです。一方で1,000株以上の区分が新しく設けられ、1回あたり12,000円相当(年間24,000円相当)が贈られます。まとまった株数を持つ株主への上乗せが今回の拡充の中身です。

必要株数は500株以上 という設定です。単元株数は100株なので、優待を受け取るには5単元をまとめて持つ必要がある点に注意してください。

長期保有優待はいつから効いてくるのでしょうか

適用は2027年9月の権利分から

今回あわせて新設されるのが長期保有優待です。継続保有が1年以上 の株主には、1回あたり1,000円相当が上乗せされます。継続保有の判定は「3月末日および9月末日の株主名簿に、同一株主番号で3回以上連続して 所定株数以上の保有が記載または記録されること」という条件です。

保有株数 継続保有1年未満 継続保有1年以上
500株以上1,000株未満 5,000円相当 6,000円相当
1,000株以上 12,000円相当 13,000円相当

年間に直すと2,000円相当の増額になります。ここで押さえておきたいのが適用時期で、この上乗せが実際に効いてくるのは2027年9月末を基準とする権利分から です。

2026年9月末と2027年3月末の権利分は、長期保有の上乗せがない金額で届きます(品目は既にデジタルギフトへ切り替わっています)。開示の時点から数えると1年以上先の話になりますので、「発表されたのですぐ増える」わけではありません。

500株でいくらの利回りになるのでしょうか

現時点の総合利回りは5.79%

2026年6月15日の終値は484円 でした(株探調べ)。優待の対象になる500株を買う場合、投資額は242,000円という計算になります。

項目 数値
株価(2026年6月15日の終値) 484円
投資額(500株) 242,000円
1株あたり配当 8円
年間配当(500株) 4,000円
配当利回り 1.65%
優待(年間・500株) 10,000円相当
優待利回り 4.13%
総合利回り 5.79%

ゆるふえでは「配当+優待利回りで4%以上」を投資判断の目安にしています。総合利回り5.79%はこの目安をはっきり上回る水準で、内訳を見ても優待が4.13%と主役になっているのが特徴です。

長期優待が乗ったあとの利回り

2027年9月の権利分から継続保有1年以上の条件を満たしていれば、年間の優待は12,000円相当まで増えます。株価が484円のままだとして計算すると、優待利回りは4.96%、配当と合わせた総合利回りは6.61%です。

もっとも、1年以上先の株価は誰にも分かりません。この6.61%はあくまで「今の株価で買って持ち続けた場合」の目安として見ておくのがよいでしょう。

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買う前に確認しておきたい点はどこでしょうか

最低投資額は約24万円

いちばん大きなハードルは必要株数です。100株から優待がもらえる銘柄と違い、この銘柄は500株、約24万円 をまとめて用意する必要があります。1銘柄に振り向ける金額としては、決して小さくありません。

分散を意識している方ほど、ポートフォリオ全体のなかでこの1本にいくら置くかは慎重に考えたいところですね。

恩恵を受けるまでの期間

長期保有優待は継続保有1年以上が条件で、しかも適用は2027年9月の権利分からという設定です。上乗せの年2,000円相当を受け取るには、それまで売らずに持ち続けることになります。

短期で売買するつもりの方には、この新設分のメリットは届きません。長く持つ前提かどうかで、今回の開示の受け止め方は変わってくるはずです。

東証グロースの不動産クラウドファンディング企業

クリアルは不動産クラウドファンディング (少額から不動産に投資できるオンラインサービス)を手がける企業で、上場市場は東証グロースになります。

直近の2026年3月期は、売上高377億9,500万円で前期比9.6%の減収となる一方、営業利益は29億4,100万円と前期比49.5%の増益でした。純利益も19億3,800万円で43.5%増えており、減収ながら利益をしっかり伸ばした決算です。実績の面では、新興企業でありながら数字が付いてきている状態といえます。

QUOカードからの変更をどう受け止めるか

ゆるふえが投資判断の中心に置いているのは、安定配当の大型株とQUOカード優待です。その観点で見ると、今回の変更はQUOカードそのものが届かなくなる という側面を持ちます。交換先にQUOカードPayが残るとはいえ、コンビニのレジで券を出す使い方から、スマートフォンでの受け取りと交換操作を挟む形に変わります。

推し度は という位置づけです。総合利回り5.79%は目安の4%を上回り、直近決算も増益で、交換先の広さも魅力があります。一方で東証グロースの新興企業であること、500株で約24万円が必要なこと、QUOカード本体ではなくなることの3点は、好みがはっきり分かれる部分です。

24万円をこの1銘柄に置けるか、2027年9月まで持ち続けられるか、そしてデジタルギフトの受け取り方に抵抗がないか。この3つに自分なりの答えが出せるなら、利回りの数字は十分に見合う水準といえます。

まとめ

  • 優待は交換先を選べるデジタルギフトで、PayPayマネーライト・Amazonギフトカード・QUOカードPayなど8種類から選べます
  • 現行は500株以上で1回5,000円相当、年間10,000円相当。権利確定月は3月末と9月末の年2回です
  • 長期保有優待が新設され、継続保有1年以上で1回1,000円相当が上乗せされます。適用は2027年9月の権利分からで、1年以上先の話になります
  • 500株(242,000円)なら総合利回りは5.79%で、ゆるふえの目安である4%を上回ります
  • 必要株数が500株と多く、最低投資額のハードルは高めです

利回りの数字は魅力的ですが、24万円をまとめて置ける銘柄かどうかは人によって答えが違います。まずはご自身の投資額のなかでこの1本が何割になるかを確かめてみてください。

出典は適時開示(日経会社情報DIGITAL)株探Yahoo!ファイナンス クリアルの株主優待です。優待の内容や条件は変更される場合がありますので、最新の情報は公式発表でご確認ください。