インベスコ・アセット・マネジメントは2026年6月29日、世界のソブリン投資家 (政府系ファンド・中央銀行)144機関を対象とした第14回グローバル調査結果を発表しました。調査対象機関の運用資産合計は約29兆ドル (およそ4,600兆円)。ETF活用やインフラ投資、AI導入の動向など、個人投資家にとっても学べる視点が含まれます。出典はPR TIMES

「世界の機関投資家がいま何に投資しているのか」を知ることは、新NISAで何を選ぶかの参考になります。ゆるふえとしては、個人投資家が見て役立つ4つのデータ を取り出して整理します。


調査の前提

数値の整理

  • 調査機関: インベスコ・アセット・マネジメント
  • 発表日: 2026年6月29日
  • 対象機関数: 144(政府系ファンド90 + 中央銀行54)
  • 運用資産合計: 約29兆ドル
  • 調査名: Invesco Global Sovereign Asset Management Study 2026

ソブリン投資家 (政府系ファンド・中央銀行・年金基金)は長期視点で運用するため、短期の値動きではなく、何に・どれくらい配分しているか の構造が個人投資家の参考になります。


個人投資家が見るべき4つのデータ

1. ETF活用率は機関全体で39%

ソブリン投資家のうちETFを活用している割合は以下の通りです。

機関種別 ETF活用率
投資型ソブリン 58%
債券型ソブリン 53%
中央銀行 31%
開発型ソブリン 24%
全体平均 39%

ETF (上場投資信託、株式と同じように売買できる投資信託)は機関投資家にとっても主要な投資手段になっています。新NISAで投資信託やETFを選ぶ判断の後押しになる数字です。

2. インフラ投資比率は4.9% → 9.0%へ倍増

ソブリン投資家のインフラ投資比率は、2022年の4.9%から2026年は9.0% へ拡大しました。エネルギー安全保障を「最も信頼できるレジリエンス(耐久性)テーマ」と回答した割合は80%にのぼります。

個人投資家が直接インフラに投資するのはハードルが高いですが、インフラ系のテーマ型ETF・投資信託 や、電力・通信・鉄道などの安定配当銘柄 を組み入れる選択肢があります。

\ 自分に合う口座を3秒で見つける /

おすすめ証券口座を見る

3. AI活用は2024年33% → 2026年69%

ソブリン投資家のうちAIを投資プロセスに活用している割合は、2024年の33%から2026年は69% へ急増しました。AIを「変革をもたらす技術」と認識する機関は77%です。

AI関連株を直接買う前に、自分のポートフォリオで米国株インデックス(S&P500等)にAI関連の主要銘柄が含まれている ことを思い出すと、過度な個別株偏重を避けられます。

4. 中央銀行の3分の1超が金保有を拡大方針

中央銀行のうち3分の1超 がゴールド保有を拡大する方針と回答。インフレヘッジを重視する割合は2024年の35%から72% へ大きく上昇しました。

個人投資家にとっての金は、ポートフォリオの数%を上限 に組み入れる選択肢があります。金鉱株ETF・金連動ETF・純金積立など、複数の手段があります。


何を考えればよいか(保有銘柄カテゴリ別)

  1. 新NISAで米国株インデックス積立中の方 : ETFを活用するソブリンが約4割。投資信託に加えてETFも検討する余地あり
  2. 配当株中心の方 : ソブリンが注目するインフラ・エネルギーは安定配当銘柄と相性がよい。電力・通信・鉄道の点検が有効
  3. オルカン(全世界株)積立中の方 : 機関投資家のリスク分散の発想と方向性が一致。配分の偏りが少ない強み
  4. 手元現金が多い方 : ソブリンの3分の1超が金保有を拡大する方針。一部を金関連に分散する選択肢もある
  5. これから始める方 : 機関投資家がリスク分散・長期視点を重視している事実は、新NISAでの積立スタンスを後押しする

まとめ

  • ソブリン投資家144機関の運用資産は約29兆ドル、ETF活用率は全体で39%
  • インフラ投資比率は2022年4.9%から2026年9.0%へ倍増、エネルギー安全保障が重視テーマ
  • AI活用は機関の69%、中央銀行の3分の1超が金保有を拡大する方針

世界の機関投資家がどこに資金を置いているかは、個人投資家の配分判断のヒントになります。流行を追うのではなく、長期で安定したテーマに資金を分散している構造を参考にするのが、ゆるふえとしての受け止め方です。