「日銀当座預金」というニュースを見て、「銀行が銀行に預けてるってこと?」「金融政策とどう関係するの?」と疑問を持った方もいらっしゃるかもしれません。

2026年6月1日、日本銀行は 2026年5月の日銀当座預金増減要因と金融調節 に関する統計を公表しました。

この「日銀当座預金」は、ニュースで頻出する 「マイナス金利」「金融緩和」「利上げ」 といった話とすべてつながる仕組みです。初心者にとっては仕組みを一度整理しておくと、金融政策のニュースが立体的に見えるようになります。


日銀当座預金って何?

民間銀行が日銀に預けている残高

日銀当座預金 (にちぎんとうざよきん)は、民間金融機関(メガバンク・地銀・信託銀行など)が 日本銀行に預けているお金 のことです。私たちが普段使う「銀行口座」の銀行版、と考えるとイメージしやすいです。

民間銀行は、

  • 顧客の預金の引き出しに備えた 準備預金 (法律で一定割合の預金を日銀に預けることが義務付けられている)
  • 銀行間の決済資金
  • 余った資金の置き場

として日銀当座預金を利用しています。

主な増減要因

日銀当座預金の残高は、毎日変動します。主な要因は次のとおりです。

  • 銀行券要因 : 紙幣が発行されると残高が減る(紙幣を発行するために銀行が日銀から現金を受け取る)
  • 財政等要因 : 政府が税金を集めると残高が減る、年金を支払うと残高が増える
  • 金融調節 : 日銀が国債買入・売却で残高を調整する

出典: 日本銀行「日銀当座預金増減要因と金融調節(2026年5月)」


金融政策との関係

補完当座預金制度と付利

2008年以降、日銀は当座預金のうち 準備預金を超える部分 に金利を付ける仕組み(補完当座預金制度、別名「付利」)を導入しています。これは民間銀行に対して「日銀に預けるだけで一定の利息がもらえる」状態を作る仕組みです。

この 付利の金利水準を操作する ことで、日銀は短期金利全体に影響を与えます。

局面 付利の動き 市場金利への影響
マイナス金利政策 付利を一部マイナスに 銀行が日銀に預けると損するので、市場で運用する → 金利が下がる
金融緩和 付利を低く維持 短期金利が低位安定
金融引き締め 付利を引き上げ 短期金利が上昇

つまり日銀当座預金の 付利金利 は、いわば「銀行間市場の金利の床」として機能しています。

「マネタリーベース」との関係

日銀当座預金は マネタリーベース (世の中に出回るお金のうち、日銀が直接コントロールできる量)の主要構成要素です。マネタリーベース = 流通している紙幣・硬貨 + 日銀当座預金、で計算されます。

「異次元緩和」「量的緩和」と呼ばれた政策は、日銀が国債を大量に買い入れて、その対価として日銀当座預金を積み上げる動きでした。

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新NISA投資家としての見方

直接の影響は薄いが、政策動向の理解に役立つ

日銀当座預金の月次データそのものが、新NISA投資家の運用判断を直接変えるわけではありません。ただし、

  • 付利金利が上がる → 預金金利・住宅ローン金利の上昇
  • 国債買入が縮小 → 長期金利の上昇
  • マネタリーベースが減る → 「金融引き締め」の局面

といった変化は、為替・株価・金利全体に波及 します。新NISAでインデックス投信や債券型を持っている方は、こうした政策動向を背景情報として把握しておくと、ニュースに振り回されにくくなります。


まとめ

  • 日銀当座預金 は民間銀行が日銀に預けているお金、金融政策のツールそのもの
  • 補完当座預金制度(付利) の金利を操作することで、日銀は短期金利全体に影響を与える
  • 新NISA投資家への直接影響は薄いが、金融政策動向の理解に役立つ背景知識

統計データは難しく見えますが、「銀行のための銀行口座」「金利の床」と捉えれば、金融政策のニュースが読みやすくなります。ゆるふえとしては、こうした背景知識を持ったうえで、長期積立を「いつもどおり」続ける姿勢を大切にしています。