「日銀の外貨資産が12.3兆円」というニュースを見て、「中央銀行が外貨を持ってるの?」「12兆円って何に使うの?」と疑問を持った方もいらっしゃるかもしれません。

2026年5月27日、日本銀行は 令和7年度末(2026年3月末)時点の外貨資産残高 を公表しました。総額は 12兆3334億円、その大部分は外貨債券で構成されています。

中央銀行のバランスシート(資産・負債の一覧表)は専門的に見えますが、ニュースで頻出する「為替介入」の話とつなげて読むと、意味が立体的に見えてきます。この記事では、日銀の外貨資産の中身を初心者向けに整理し、新NISA投資家としての見方を共有します。


日銀の外貨資産って何?

12.3兆円の内訳(円ベース換算)

日銀が公表した外貨資産の合計は 12兆3334億円 で、内訳は次のとおりです。

種類 残高
外貨預け金 3兆4413億円
外貨債券(国債) 6兆2193億円
外貨債券(国債以外) 2兆1938億円
外貨投資信託 1004億円
外貨貸付金 3783億円
合計 12兆3334億円

出典: 日本銀行「令和7年度末の日本銀行保有外貨資産の残高」(2026年5月27日)

外貨債券の総額は 8兆4131億円 で、外貨資産全体の約68%を占めます。残存期間別では全額が「1年超5年以下」で、1年以下のものは0円です。

中央銀行が外貨を持つ理由

中央銀行が外貨資産を持つのは、主に 為替介入 (為替市場で円やドルを売買して相場を動かす操作)の原資にするためです。日本の場合、為替介入の意思決定は財務省が行い、実際の売買は日銀が代理人として執行します。

ここで出てくる 外貨預け金 (諸外国の中央銀行や民間銀行に預けたドル建ての預金)は、すぐに動かせる流動性の高い資産で、介入実施時にまず取り崩される対象です。

外貨債券 (米国債などのドル建て債券)は、預け金だけでは置いておけない規模の外貨を、安全な形で運用する役割を持っています。米国債が中心になる理由は、規模・流動性・信用力のバランスが取れているためです。


為替介入とのつながり

外貨は介入の弾になる

2026年5月29日、財務省は直近1カ月の為替介入額が 11兆7349億円 で月間過去最大と発表しました。これは円買いドル売り介入で、市場でドルを売って円を買う動きです。

出典: 財務省「外国為替平衡操作の実施状況」(2026年5月29日)

ドル売り介入では、保有するドル建て資産(外貨預け金や外貨債券)を売却してドルを供給します。つまり日銀の外貨資産は、介入の「弾薬庫」のような役割を果たしています。

\ 自分に合う口座を3秒で見つける /

おすすめ証券口座を見る

介入後の残高変化は注視されるポイント

今回公表された12.3兆円という数字は 2026年3月末時点 のものです。今後発表される直近の介入(4月28日〜5月27日、11.7兆円規模)の影響は、次回以降の残高公表で反映されます。

介入を続ければ外貨資産は減ります。その意味で、外貨資産の残高は 介入余力 を測る一つの目安になります。市場関係者がこの数値に注目するのは、こうした文脈があるためです。


新NISA投資家にとっての見方

直接の影響はない、ただし為替動向の背景情報として有用

新NISAで投資信託や海外株を運用している方にとって、日銀の外貨資産そのものが投資判断を変える材料にはなりません。重要なのは、為替介入が続くかどうか を読むうえで、外貨資産の残高がヒントになるという点です。

たとえば外貨資産が急速に減少していれば、介入余力が縮小していると読めます。逆に外貨資産が一定水準を保っていれば、円安抑制のための介入が継続しやすい状況と判断できます。

ただし、為替の方向性は外貨資産の残高だけで決まるものではなく、米国の金利動向や日本の金融政策など複数の要素が絡みます。新NISAで長期積立をしている方にとっては、こうした背景を「読み物」として知っておく程度で十分です。


まとめ

  • 日銀の外貨資産は 12兆3334億円 (2026年3月末時点)、うち外貨債券が約68%
  • 外貨資産は 為替介入の原資 として機能し、介入余力を測る指標になる
  • 新NISA投資家への直接影響は薄いが、為替介入ニュースの背景情報として知っておくと理解が深まる

ニュースで「日銀が外貨資産○兆円保有」と聞くと身構えがちですが、「為替介入の弾薬庫」と捉えれば全体像が見えてきます。ゆるふえとしては、こうした背景知識を持ったうえで、長期積立を「いつもどおり」続ける姿勢を大切にしています。